新鮮野菜でご馳走に変身した野菜料理

プロヴァンスやニースなど、地中海の恵み豊かな南フランスの代表的な野菜料理ラタトゥイユ。日本でも大人気で、近年では、かなり一般的な家庭料理の一つにもなっています。玉ねぎやナス、ズッキーニやトマト、ピーマンやパプリカといったカラフルな夏野菜を、ニンニクとたっぷりのオリーブ油で炒めて、バジルやローリエ、タイムやオレガノなどのハーブ類とワインとで炒め煮にした、野菜メインのご馳走です。 ベーコンなどの肉類を入れて旨みをプラスしたり、セロリやトウガラシなどで味わいにスパイシーな変化を加えることもあります。そのまま一品料理として賞味できることはもちろん、パスタソースにしたり、手作りパンの具にすることもできます。

見た目も味もおしゃれなラタトゥイユは、南仏ムード満点の名称すらも魅力的です。日本人にとっては、憧れつのる響きを持つラタトゥイユは、ご当地フランスではなんと、粗末な野菜料理の代名詞と言われる一面を持っています。元々ラタトゥイユは、フランスの軍隊や刑務所で出されていたメニューで、「ごった煮」といった意味合いの軍隊スラングで呼ばれる野菜料理でした。日本で言うところの「くさい飯」と同レベルの美味しくない料理の代名詞として、フランス人には今一つな印象を持たれていたようです。そんなルーツを持ったラタトゥイユですが、現代において鮮度抜群の美味しい野菜で作られたものは、当然フランスでもご馳走になっており、世界に誇る野菜料理として知名度を上げています。ラタトゥイユは、旬の新鮮野菜が鮮度抜群のまま広域に流通させることが可能になった現代で、ご馳走として進化を遂げた野菜料理と言えます。

日本の刑務所での「くさい飯」は一般的には麦ごはんと言われていますが、この麦も、現代において品質の向上や精麦技術の発達によって匂いが気にならなくなったばかりか、健康に良い胚芽入り押し麦や、ダイエットに有効と言われるもち麦など、麦ごはんはむしろ、白米だけのごはんに匹敵する人気を獲得しています。押し麦や丸麦、もち麦は、どれも野菜スープの具としても最適で、スープにアレンジしたラタトゥイユとの相性も抜群になっており、もちもち感のあるリゾット風のご馳走になります。日本とフランスの「くさい飯」が、新鮮野菜の仲立ちで、絶妙のコラボレーション料理になったと言えます。真夏であっても、生野菜ばかりでは身体を冷やし過ぎる面もありますので、洋の東西を問わず、炒め煮料理で変化をつけたいものです。加熱することで、たっぷりの野菜を摂ることができます。

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